さくら車いすプロジェクトご協力者の皆様へ
拝啓
慌ただしい師走となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
本年は世界中が新型コロナの大混乱で、オリンピックもすっかり忘れてしまうような年でしたが、きっと皆さまに於いても、思わぬ一年となられたことと推察申し上げます。
当さくら・車いすプロジェクトにおきましても、毎年何十カ国の方々が来訪されレルCommunityでの交流会をはじめ、様々予定していたことが中止となるなど、まさかの年となりました。
概略は下記の通りです。
- ネパールのNRNA(海外在住ネパール人協会)の協力でネパールに118台程の中古車椅子、電動車いすを送り、今春到着したが、予定していたメンテナンス技術セミナーが新型コロナ問題で渡航する渡航することが叶わず、中止となりそうである。
- 2月JICAの助成にてパキスタンで障がい者が車いすを製作する工場を創る「案件化調査」が決定され、4回の訪問が予定されていたが、これも新型コロナ問題で延期となっている。既にカウンターパートの実情が変わり、中止となる可能性が強い。
- スピードラーニングの㈱エスプリラインさんから提供頂いた120台程の中古パソコン(Windows7)を千葉県夷隅郡のロボット製作を学ぶ子供達に35台寄贈し、パキスタンに75台贈った。パキスタンはラホールのマイルストンに40台とイスラマバードにあるAAR-JAPAN(難民を助ける会)に35台贈った。マイルストンは、障がい当事者に利用してもらえるように、配布し新しい連絡の手段としての利用が始まったようである。
- ㈱ディープサンクスさんからB級品マスクを35箱(70,000枚)提供して頂いた。それを12/5パキスタンの障がい者団体マイルストンに30,000枚(15箱)と12/10ネパールの企業家に16,000枚(8箱)と1/15頃24,000枚(12箱)をネパール人協会に贈る。
- これは②に記載されたことと関連しますが、パキスタンでは既にシャフィック氏やその協力者との尽力でラホールの障がい者やイスラマバード、カラチの障がい者達で車椅子を製作する業務が始まっている。これは障がい者雇用ではなく、当事者が運営する画期的な現実であり、既に500台/月の依頼が政府から来ている。途上国のモデルとなるだろう。
・・・このような2020年でしたが、振り返り見ましても、電動車いすだけでなく、大量の中古パソコンや、マスクの寄附など、日本で一度役目を終えたものも、新たな場所で一人の人生を変えるような働きをしてくれています。
「さくら・車いすプロジェクト」は明年も、少し先を行くことができた日本だからこそできる活動をして行きたいと願っております。
パキスタンで障がい者による車椅子生産が生まれ、その交付制度が実現し、車いすクリケットという障がい者スポーツを生み出し、それを国際試合にまで高めてしまう人達がパキスタンに生まれたのも、日本からの、少しはみ出した小さな協力があったからです。
是非皆様のゆるす範囲で経済や時間をご提供頂ければ、「さくら車いすプロジェクト」はその善意を活かし、より各国との響働力(協同力)や友情を深めると共に、希望ある次代を創って行きたいと願っております。
2020.12
敬具
パキスタンへ車いすを送る様子をこちらからご覧ください (^o^)/