さくら車いすプロジェクトについて

1. 団体設立までの経緯

私たちは、2000年代初めより、障害者・車いす業者の協力で障害者支援プロジェクトの一環として、アジア各国の障害者リーダーに中古電動車いすを送る活動を継続的に行ってきました。パキスタン北部地震発生以後、ますます車いすニーズが高まってきたこと、特に電動車いすのニーズが増えてきたことから、電動車いす提供事業に特化して設立されたのがNPO法人さくら車いすプロジェクトです。さくら車いすプロジェクトは、アジア・アフリカ等の障害者の自立生活支援を目的として、障害者団体と車いすの業界団体、在日パキスタン有志の協力で2011年に設立されました。

日本からの支援で、初めてパキスタンでつくられた車いす
日本からの支援で、初めてパキスタンでつくられた車いす

2. さくら車いすプロジェクトとは

アジア各国への中古電動車椅子の提供と整備技術指導

日本では、廃棄される電動車椅子が全国で毎年5000台以上あります。そして多くはまだ使用できるだけでなく資源の無駄や環境にとっての課題もあります。──それを必要としている国で有効に利用できれば多くの可能性が開かれてくるのではないか。そこで私たちのプロジェクトでは、全国の利用者から中古の車椅子を提供していただき、希望している国の障害者の皆様のために、現在はパキスタンを中心に送付しています。

しかし、複雑な電動車椅子は故障すると直す場もパーツもなく、粗大ゴミになってしまいます。また、多くのアジアの国やNGOが、車いすを贈る支援を行っていても、パーツの入手方法や修理技術、障害者一人ひとりに合わせたフィッティング技術がないと、身体に合わず二次障害を起こしたり、修理できず使えなくなっているケースがとても多い状況です。そうしたことを少しでも回避し、その国の障がい当事者に適した整備技術を習得していただき、自ら整備し、障がい当事者の自立に利用していただこうというのがこのプロジェクトです。

車椅子の交付制度の実現など、アジアの障がい者が生きる権利を取り戻すことへ──

何よりも大きなことは、街に出る車椅子の人が増え、人々の目につくようになると、それまではなかった車椅子に対する理解が深まり、バリアフリーへの意識が生まれ、多くの福祉インフラを整える新たな環境づくりが始まってゆく──。そのように共に生きてゆくことを応援する社会が生まれることを願い、このプロジェクトの輪を、アジア各国の友人と共に広げてゆきたいと思っています

整備技術の伝承とともに絆・友情を育む──

このようにアジアの国々に電動車椅子を送ることを通して、自ら動くことをあきらめていた人が生き生きと生き始め、就労者が生まれるなど、画期的な社会参加が始まりました。

現地ラホールにある障がい者団体の当事者たちで整備できるよう、日本の車椅子業界団体の技術者を派遣し、車椅子技術の研修(修理技術やフィッティング技術など)を行い、技術者の拡充を行っています。習得した技術を基に障がい者自らの経済的自立につながることをめざしています。彼ら自身によって整備された電動車椅子を受け取った人は、他の力を借りなくても自らの意志で自由に動き、外に出ることもできるようになったり、仕事に就いてその可能性を広げている人もいます。

そして何より、この活動をその国の方々と共に取り組む中で、お互いの絆と友情そして信頼が培われ、深まることを願っています。

さくら車いすプロジェクトについて
さくら車いすプロジェクトについて
さくら車いすプロジェクトについて
さくら車いすプロジェクトについて

現地の支援団体から


 

DWA(障害福祉協会)[カラチ市]

さくら車いすプロジェクトは日本の人たちからパキスタンへもたらされた素晴らしい取り組みです。私たちがこのプロジェクトを通して受け取っている電動車いすはパキスタンの障害者の生活を変えただけでなく、パキスタンに新しい「自立生活運動」をもたらしたといえるでしょう。部屋に閉じ込められ、ただ死をまっていた当事者が大勢いましたが、電動車いすが彼らに生きる希望を与え、さらには私たちの活動にも参加して他の障害当事者を助け、ロールモデルとなるまでに活躍しています。

Jawaido Rais(ジャワイド・ライス)

マイルストン障害者協会 [ラホール市]

さくら車いすプロジェクトの支援が始まったことで、障害者は、車椅子で自由に動けるようになり、希望をもてるようになりました。社会は目に見えてよい方向へと変わっていっています。全ての人にとってバリアフリーな社会を築くための活動への支援をしていただいているさくらにとても感謝しています。そしてこの支援が、これからも継続し、もっともっと新しい成果を生み出せることを切望しています。

Shafiq ur Rehman(シャフィック ウル  ラーマン)